FX取引の特徴をご紹介しましょう。
外国為替市場の仕組み
世界中で24時間動き続ける市場
株式は市場が間いている時間しか取引できず、外貨預金も、銀行によってはリアルタイムで取引を行えません。
一方、「外国為替市場」と呼ばれる通貨を買いたい人、売りたい人が取引する市場では、東京、ロンドン、ニューヨーク等の主要都市の外国為替市場で、24時間連続的に為替取引が行われています。
そのため、土・日曜日、元日を除いてほぼ24時間、いつでもリアルタイムで取引が可能で為替レートは常に変動しています。日中は相場動向の確認や発注ができない人でも、自分のライフスタイルに合わせて取引ができるのです。
外国為替市場には、インターバンク市場と対顧客市場の2つがあります。
インターバンク市場とは、銀行や証券会社等の金融機関が参加する市場です。
対顧客市場は、金融機関が個人投資家や事業法人等といった顧客を相手に売買を行う市場で、銀行の窓口等で円を外貨に交換(両替)することも含まれます。
FX取引はインターバンク市場の為替レートを参照した価格で取引されています。
取引可能な時間=世界のどこかの市場が開いている時間

- 東京以外の市場では、サマータイム実施期間中の稼働時間は、1時間早まる※図中の表示は日本時間
FX(外国為替証拠金取引)取引とは
差金決済とレバレッジ取引
FX(Foregn Exchange MarginTrade)取引とは、米ドルやユーロ等の通貨(外国為替)を売買する金融商品で、主に個人投資家を対象とした取引です。
「外国為替証拠金取引」ともいいます。
FX取引とは、「外国為替証拠金取引」ともいい、米ドルやユーロ等の通貨(外国為替)を売買する金融商品で、主に個人投資家を対象とした取引です。
FX取引は、売買の都度、代金そのものを受け渡すのではなく、決済時に売買により生じた差額(損益)のみを受け払いする「差金決済」が大きな特長です。
また、FX取引は、証拠金(保証金ともいいます)と呼ばれるお金を取扱業者に預けて、その数倍から25倍の金額の取引を行なうことができます。(金融庁のレバレッジ規制により、国内FXの個人の場合、最大レバレッジは25倍(必要証拠金率4%以上)と定められています。)
これを小さな力で大きなものを動かす「てこ(=レバレッジ)」に見立てて、レバレッジ効果と呼びます。
想定元本 | 100円×10,000通貨単位×1枚=1,000,000円 |
---|---|
必要証拠金 | 1,000,000円×4%=40,000円 |
レバレッジ倍率 | 1,000,000円+40,000円=25倍 |
- 4万円の必要証拠金で想定元本1,000,000円の取引をした場合(これをレバレッジ25倍の取引といいます)、1円の値動きで1万円(1円×1万通貨単位)の利益又は損失が生じることになります。
- このようにレバレッジ取引は相場が予想どおりに変動した場合は、少額の証拠金で大きな利益を得られますが、予想に反した場合は大きな損失となります。
- FX取引の入門者の方は、十分な証拠金を預託することでリスクを抑え、長く安定的に取引を行うことをお勧めします。
(※)個人投資家に適用される証拠金率は想定元本の4%を下限としていますが、法人投資家は取扱会社が採用する証拠金基準額の算出方法により、必要証拠金が想定元本の4%を下回る場合があります。
この倍率を上げて、為替の変動するタイミングをつかんで、通貨の売買を行なえば、少ない元手で大きな利益を狙うことができます。いわゆるハイリスク・ハイリターン型の投資です。
しかし、一方、低倍率で取引を行なえば、外貨預金等とほとんど変わらないローリスクの投資となります。
このリスク設定により、投資家のさまざまなニーズに応えられる柔軟性がFXの特徴であり、魅力なのです。
レバレッジ取引の具体例
通常の外貨の売買との違いをみてみましょう。例えば、ある投資家が1万ドルを1ドル=100円で買い、翌日、1万ドルを1ドル=101円で売った場合を考えます。
通常の外貨の売買の場合
外貨を購入すると、1万ドルの外貨を受け取る一方、購入代金として100万円の資金を支払わなければなりません。この時支払った円貨と、翌日、外貨を売却したときに受取った円貨の差が利益となります。
FX取引(差金決済)の場合
- 1万ドル(100万円相当)の取引金額の4%(レバレッジ25倍の)証拠金4万円を預け、新規に1万ドル(100万円相当)のドル買い/円売りとなる「買い建玉」を保有します。
- 翌日、「買い建玉」を決済するため、1万ドル(101万円相当)のドル売り/円買いの取引を行います。この結果、差額の1万円が利益になるので、100万円の資金を用意しなくても、外貨の売買の場合と同じ効果が得られます。
- 利益の1万円は証拠金口座に入金され、証拠金が5万円になります。
スワップポイント
FX取引の特徴のーつが、取引通貨の金利差から生じる「スワップポイント」です。金利の低い通貨で金利の高い通貨を買うとスワップポイントが受け取れ、逆の取引では支払うことになります。
例えば、米ドル/円の買いポジション(建玉)を1日保有する場合、米ドルを買って円を売ることになるため、米ドルの金利を受け取り、円の金利を支払うことになります。
この場合、仮に円の金利が1.0%、米ドルの金利が年5.0%とすると、年1.0%の金利を支払い、年5.0%の金利を受け取ることになるため、この金利差4.0%の1日分のスワップポイントを受け取ることができます。
逆に、米ドル/円の売りポジションを保有する場合、米ドルを売って円を買うことになるため、米ドルの金利を支払い、円の金利を受け取ることになりますので、4.0%の1日分のスワップポイントを支払うことになります。
外貨預金よりもメリットが多い
低金利通貨で高金利通貨を購入したときに受け取れるスワップポイントは、外貨預金
と比べて3つのメリットがあります。
スワップポイント (前提:低金利通貨で高金利通貨を購入した場合) |
外貨預金 | |
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原則、毎日受け取ることができる(※) | 金利の受け取り時期 | 年1回の満期日か半年に1度程度 |
雑所得扱いとなるため、為替差損と通算できる | 税金の所得区分 | 利子所得扱いとなり、為替差損と通算はできない |
レバレッジをかけられるため、少額の証拠金で外貨を購入すれば、保有外貨の金額に応じた金利に相当するスワップポイントを受け取れる | レバレッジ | レバレッジがかけられないため、投資金額に見合った金利しか受け取れない |
一般的な外貨普通預金や外貨定期預金よりも流動性・利便性に優れ、何より効率的にためることができるのが大きな利点です。
チェックしておくべき動向や経済ニュース
スワップ派には、経済ニュースよりも、スワップポイントに影響する政策金利などの金融政策が重要な要素になります。政策金利はただ発表されるだけでなく、要人の発言にも現れることがあります。これに着目していると、政策金利の変動、つまりスワップポイントの変化も予測できるようになります。
一般的に景気が悪化している国は、国内産業の資金調達を容易にして経済を活性化するため、政策金利を下げます。
政策金利を上げている国は物価高(=インフレ)なっているので資金調達を難しくすることで市場に出回る通貨量を減らし、インフレを抑える政策をとります。
加えて「政情や経済不安などのカントリーリスクが高い国」と市場から判断されている場合もあります。
投資に適した通貨(国)であるかどうか、経済・政治の両面から情報収集して判断しましょう。

各国の政策金利【参考】
FX取引とほかの資産運用との比較
FX取引 | 外貨預金 | 株取引 | |
---|---|---|---|
取り扱い会社 | 銀行、証券会社、FX専業会社など | 銀行 | 証券会社など |
取り扱い時間 | 24時間 (土・日・元日を除く) |
銀行の営業時間内 | 市場オープン時間内 |
資金 | 1米ドル=100円の場合、1万米ドル当たり証拠金5万円程度 | 1米ドル=100円の場合、1万米ドル当たり100万円 | 最低数十万円程度 |
手数料 (米ドル/円) |
5~10銭程度 | 預け入れ、解約時片道1円程度 | (売買手数料が発生) |
リスクコントロール | 自動売買機能などでコントロールしやすい | しにくい(満期が自由設定できないため) | 資金が多ければリスク分散できるが、少ないと難しい |
買いからも売りからもはじめられるFX取引
売りからも利益を追求できる
FX取引では、売り、または買いの状態で為替を持っていることを「ポジションを持つ」といい、外貨を買っている状態を「買いポジション」、売っている状態を「売りポジション」と呼びます。
投資というと、外貨預金や外貨MMFのように、まず外貨を買うというイメージが強いのですが、FX取引では、通常の外貨の売買のように代金の受け渡しを行わない差金決済のため、手元に外貨がなくても外貨の売りからも取引できます。
株式のように「安く買っておいて高く売る」という取引だけではなく、「高く売っておいて、安く買い戻す」ことも可能です。
円高ドル安が進むだろうと予測すればドルを売り、ドル安となったところでドルを買い戻します。
つまり、外貨を高く売って、安く買い戻すことによって利益が出るのです。これは株の空売りと同じ方法です。
たとえば1ドルが100円の時に1万ドルを売っておいて、95円になった時に買い戻せば、1万ドルで、5万円の利益が出るということになります。
反対に円安ドル高が予測されるときはドルを安く買っておいて、ドル高になった際に高く売ります。
このように、FXは円安でも円高でも利益をあげることができるのが強みです。
ロスカット取引
損失を防ぐしくみ
追加証拠金の請求にはすぐ対応が必要
規にポジション(建玉)を保有した後に、相場が予想と反対の方向に動き損失が発生し証拠金が不足した場合には、FXでは[color color=""]追加証拠金の請求(マージンコール)、ロスカット(損切り)の執行[/color]といった仕組みがあります。
証拠金が必要額を下回った時 |
損失が証拠金の一定比率以上になった時 |
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追加証拠金請求 (マージンコール) |
ロスカット (Loss Cut) |
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ロスカットとは、LOSS(損失)をCUT(切る)という意味で、投資家の損失が証拠金を超えることがないように予防するシステムです。
くりっく365取扱会社は、このロスカットの仕組みを必ず導入しています。
ただし、取扱会社によってロスカットのタイミング等ルールか異なりますので、取引を始める際には、内容を確認することか重要です。
例えば、必要な保証金金額の30%の水準を下回った場合「ロスカット」が発生する業者があります。
また、ロスカットが発生する保証金の水準を顧客によって設定できる業者もあります。
ロスカットアラート
ロスカットの前に、損失の増加で証拠金が減っていて、もうすぐロスカットが起きそうだということを顧客に伝える「ロスカットアラート」があり、例えば、必要な保証金額の50%の水準を下回った場合、Eメール等で顧客宛に警告の連絡が届きます。
ロスカットアラートの時点で早めに対応をしておけば、ロスカットの水準にまで到達する可能性は低くなるので安心です。
FX取引は、ほぼ24時間取引か可能で、為替レートは世界の様々なニュース等に敏感に反応します。日本だけでなく、アメリカやヨーロッパの情勢にも反応し、相場か突然急激に動くこともあります。
ロスカット、ロスカットアラートがないと、証拠金の額を超えて投資家は大きな損失を被ってしまう場合があります。
追加証拠金の請求やロスカットは、顧客の損失を証拠金の範囲で限定させられる、顧客のための仕組みであるといえます。
ただし、相場状況によっては、証拠金以上の大きな損失を被る場合かあります。